お役立ち情報
2024.12.21
「墓じまい」とは、現在のお墓を解体・撤去し、墓地の区画を元の所有者である管理者に返還する手続きのことです。このプロセスには、遺骨を他の場所へ移す「改葬」が含まれます。改葬を行うには、お墓の所在地に応じた役所での行政手続きが必要です。
たとえば、改葬許可証の取得が必要となるため、まずは現在の墓地がある自治体に申請しなければなりません。
墓じまいは、後継者がいない場合や遠方に住んでいる場合など、お墓の維持管理が難しくなった際の選択肢として注目されています。
墓じまいをスムーズに進めるためには、事前の準備や手続きに関する知識が欠かせません。
墓じまいを検討する際は、まずお墓に関わる親族全員に相談し、同意を得ることが不可欠です。勝手に進めると、後々親族間でのトラブルが生じることがあります。
特に、お墓の名義人ではなくても、お参りに訪れる親族や、遠方に住んでいるため頻繁には訪れない親族もいるかもしれません。また、本家のお墓を墓じまいする場合、分家からの反発があることもあります。
墓じまいには、お墓の使用者(通常は名義人)の正式な承諾が必要です。
手続きの際、墓地の使用者と改葬手続きを行う人物が異なる場合は、使用者から「承諾書」に署名と捺印をしてもらわなければなりません。
墓じまいを行う際には、墓地管理者やお寺に事前に相談し、手続きについての指示を仰ぐことが重要です。墓地の管理形態によって相談先は異なります。
民営霊園: 管理事務所
公営霊園: 管理事務所や自治体の役所
共同墓地: 墓地管理委員会
寺院墓地: お寺の住職
これらの管理者からは、墓じまいの許可を得るための署名や捺印が求められることが多いため、早めに連絡を取り、手続きに必要な書類や情報を確認しておきましょう。
【寺院墓地の場合】
お寺にお墓がある場合、特に慎重な対応が求められます。墓じまいは檀家から抜けることを意味し、お寺の経済的支援が途絶えることになります。そのため、お寺にとっても大きな問題となり得ます。
墓じまいの話を持ち出す際は、感謝の気持ちやお詫びをしっかりと伝え、あくまで相談として進めましょう。お寺の対応が冷たくなると、高額な離檀料を要求されるなど、予期せぬトラブルを招く可能性もあります。事前の相談を丁寧に行い、円満な解決を目指しましょう。
これらの準備をしっかりと行うことで、墓じまいの手続きをスムーズに進めることができます。親族との円満な話し合いと管理者との調整を大切にし、後悔のない形で大切なお墓を整理していきましょう。
墓じまいを行う際には、まず遺骨の新しい安置場所を決める必要があります。改葬先が決まっていないと、手続きに必要な「受入証明書」が発行されないため、墓じまいの手続きが進みません。
たとえば、お墓が遠くてお参りが難しいという理由で墓じまいを考える場合は、アクセスの良い近隣の墓地を新たな安置先として検討するのが良いでしょう。
一方で、後継者がいないという理由で墓じまいをする場合は、永代供養墓を選ぶことをお勧めします。永代供養墓は、お寺や霊園が長期的に遺骨を供養してくれるため、後継者がいなくても安心です。
また、費用を抑えたい場合は、他の人と遺骨を一緒に安置する合祀墓や、自然の中で供養する樹木葬、納骨堂、海洋散骨などの選択肢もあります。
これらの選択肢をしっかりと比較し、自分たちの希望や予算に合った改葬先を見つけましょう。
墓じまいには、墓石の解体と撤去が必要になります。そのため、信頼できる石材店を選ぶことが重要です。
解体工事を依頼する際には、まず複数の石材店から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較しましょう。
特に、見積もりを取らずに契約してしまうと、予想外の費用がかかることがあるので注意が必要です。
民営霊園の場合は、指定業者がある場合が多いため、管理事務所に相談して紹介してもらうと安心です。また、寺院墓地でも指定された石材店がいることがあります。
公営霊園や共同墓地、指定業者のいない寺院墓地では、自分で石材店を選ぶことになります。施工実績が豊富で、墓地の近くにある石材店を選ぶと、工事もスムーズに進むでしょう。
納得のいく価格で工事を行うために、複数の石材店に相見積もりを依頼するのも良い方法です。
親族全員の同意を得て、石材店の手配も済んだら、次に行うべきは自治体での行政手続きです。現在のお墓がある自治体の役所に行き、「改葬許可証」を申請します。
これには、「改葬許可申請書」とその他の必要書類を提出する必要があります。
具体的な書類の内容や申請方法については、各自治体のホームページで確認するか、役所の窓口で問い合わせると良いでしょう。
手続きがスムーズに進むよう、事前に必要書類をしっかりと準備しておくことが大切です。
墓じまいの準備が整ったら、次に「閉眼法要」という儀式を行います。これは、故人の霊をお墓から離れさせるための儀式で、一般的にはお坊さんに読経してもらいます。
閉眼法要は「魂抜き」や「性根抜き」とも呼ばれ、浄土真宗では「遷仏法要(せんぶつほうよう)」と呼ばれます。
この儀式を行う際には、普段からお世話になっているお寺に依頼するのが一般的ですが、もしお寺との付き合いがない場合は、墓地の近くで同じ宗派のお寺に問い合わせるか、オンラインの僧侶派遣サービスを利用するのも一つの方法です。
また、閉眼法要は墓石解体工事の当日に行う必要はなく、工事の1週間ほど前に済ませることも可能です。手続き完了前に行っても問題ありませんので、日程を調整して進めましょう。
最後に石材店と日程を調整して墓石の解体工事を行います。
解体された墓石は撤去され、墓地は更地に戻されます。これで墓じまいの手続きは完了です。解体工事が終わった後、取り出した遺骨は新しい安置先に移されます。現地で遺骨を引き取るか、石材店に依頼して改葬先に発送してもらうこともできます。
墓じまいの手続きが完了したら、遺骨を改葬先の新しいお墓に納めます。
これで改葬が正式に完了します。
納骨の際には、必ず「改葬許可証」を持参しましょう。
これがないと新しい墓地での納骨ができない場合があります。
準備が整ったら、次は正式な手続きを進める段階です。
以下に、墓じまいに必要な主要な書類をまとめました。
| 書類 | 発行元 |
| 改葬許可申請書 | 現在のお墓がある自治体役所 |
| 埋蔵(埋葬証明書)または署名・捺印 | 現在の墓地管理者 |
| 受入証明書 | 改葬先の墓地管理者 |
| 承諾書 | 墓地の名義人 |
| 申請者の身分証明書写し | 手続きの申請者 |
改葬許可申請書は、新しい墓地に遺骨を移す許可を得るための書類です。この書類は現在の墓地がある自治体の役所(環境衛生課、市民生活課など)で入手できます。役所のウェブサイトでもダウンロード可能ですので、便利に利用しましょう。
現在の墓地に埋葬されている遺骨を証明するための書類です。この証明書は、現在の墓地の管理者(民営霊園や公営墓地の管理事務所、または寺院墓地のお寺)から発行されます。
一部の自治体では、この証明書の代わりに改葬許可申請書に墓地管理者の署名・捺印をもらうだけで手続きを進められることもあります。
詳細は自治体のウェブサイトまたは窓口で確認しましょう。
受入証明書は、新しい墓地で遺骨を受け入れることを証明する書類です。
改葬先の墓地管理者が発行します。
自治体によっては、改葬許可申請書に新しい墓地の名前を記入するだけで良い場合もあるので、こちらも確認が必要です。
承諾書は、墓地の名義人と改葬手続きを行う人が異なる場合に必要な書類です。
この書類は、現在の墓地がある役所で配布されています。
役所のウェブサイトからもダウンロードできます。
なお、墓地の名義人が改葬手続きをする場合は、承諾書は不要です。
改葬手続きの際、書類を提出する人の身分証明書が求められることがあります。
注意すべき点は、墓地の使用者ではなく申請者の身分証明書が必要であるということです。こちらも自治体によって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。
墓じまいにはいくつかの費用がかかります。以下は一般的な費用の目安です。
墓石解体費用:20〜30万円(8〜10万円/㎡)
閉眼法要のお布施:1〜5万円
離檀料(寺院墓地の場合のみ):1〜20万円
※これらの費用はお墓の場所、広さ、構造によって大きく異なる場合があります。
場合によっては相場の倍以上の費用がかかることもありますので、事前にしっかりと見積もりを確認し、比較することが重要です。
ocean ash scattering THE BLUE